”麓“という漢字が好きです。
字の見た目が上品で荘厳な感じ。
雄大なイメージ。
自然が息づいてるイメージからくる生命感。
”ふもと“という言葉の響き。
そういったものが、“麓”という字を目から脳へ送り込んだ一瞬間にバッと広がる感じが心地良くて好きです。
なにも思わず、なにも感じずただ読み流していく漢字が大多数の中、なぜか“麓” という漢字は特別にそう感じて目を留めてしまいます。
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ぼくはシルバーアクセサリーを製作し販売しています。
そのため、雑誌やSNS上で多くの作家さんたちの多くの作品を注目しています。
自分とは方向性が違う多くの作家さんたちの多くの作品を毎日毎日目にしていると、「この作家さんのこの作品好きだな〜」「この作家さんはこの作品がいいよな〜」といった具合に、星の数ほどもある作品たちの中で自然と目に留まる作品があります。
作家さんの魂なのか、作品に宿った魂なのかわかりませんが、なんとなくそういった生命感みたいなものが感じられ目を留めてしまうのです。
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ぼくのブランドgushは、"生命賛歌"をコンセプトに作品を生み出しています。
そのため、動物作品が多めになっています。
動物たちの躍動的な生命感、芸術的なフォルム、そういったものを自分なりの解釈で表現していきたいと思い作品づくりに勤しんでいます。
中でも、3匹の猫と暮らしている猫下僕兼彫金師のわたくしですので、猫作品にはちょっとした自負を持っています。
猫のかわいらしさ、あやしさ、しなやかさ、美しさ。
そんな猫の魅力をアクセサリーに落とし込むように尽力しています。
そうして自分が手掛けたアクセサリーが、誰かの目に留まってその人その人の趣味趣向といった垣根を越えて興味を惹くことができたらこんなにうれしいことはないです。
いつもそこを目指して ものづくり に勤しんでいます。
ぼくが”麓“という字に目を留めてしまうように、ぼくが手掛けたシルバーアクセサリーが誰かの目に留まって「コレいいな〜」と視線を釘付けにして心を根こそぎ奪えるような作品を生み出せるように、これからもシルバーアクセサリーに向き合っていきたいと思っています。